慢性腰痛を長引かせる本当の正体

― 骨盤・股関節・背骨と「神経の連動」を理解すると、見え方が変わる ―

第1部では、慢性腰痛が
「腰の組織そのもの」ではなく、神経の誤作動によって続いているケースが多いことをお伝えしました。

第2部ではさらに一歩踏み込み、
なぜ腰以外が重要なのか
なぜ優しい刺激で変化が出るのか
を、日常の体の使い方と結びつけて解説します。


腰は「結果」でしかないという考え方

慢性腰痛の方を詳しく見ていくと、
痛みが出ている場所と、本当の原因が一致していないことがほとんどです。

たとえば、

  • 骨盤がほとんど動いていない

  • 股関節が硬く、腰で代償している

  • 背骨のしなやかさが失われている

こうした状態では、
腰は常に無理をさせられる役割になります。

つまり、
腰は「悪者」ではなく、
頑張らされ続けた結果、悲鳴を上げているだけなのです。


骨盤・股関節・背骨は「チーム」で動いている

体はパーツごとに独立して動いているわけではありません。

  • 歩く

  • 座る

  • 立ち上がる

こうした日常動作では、
骨盤・股関節・背骨が連動して働きます。

しかし慢性腰痛の方は、
この連動が崩れているケースが非常に多いです。

結果として、

  • 本来動くべき股関節が動かない

  • 骨盤が固まり、背骨がかばう

  • すべての負担が腰に集中する

という状態が続き、
腰痛が「慢性化」していきます。


なぜストレッチや体操をしても戻ってしまうのか

「ストレッチを頑張っているのに腰痛が治らない」
という声もよく聞きます。

これは、
体が“正しい動き方”を忘れていることが原因です。

慢性腰痛の体では、

  • 力の入れ方

  • 動きの順番

  • 無意識の緊張

が、すでにクセとして定着しています。

そのため、
一時的に柔らかくしても、
神経が覚えている動きにすぐ戻ってしまうのです。


慢性腰痛と「安心できない体」の関係

ここで大切なのが、
神経は「安心・安全」を最優先にするという事実です。

慢性腰痛が続く体は、
常にどこかで緊張しています。

  • 呼吸が浅い

  • 無意識に力が入っている

  • 休んでいても体が休まらない

この状態では、
神経は「まだ危険だ」と判断し続け、
痛みを手放そうとしません。


強い刺激が逆効果になりやすい理由

慢性腰痛の方ほど、
「もっと強くしてほしい」と感じることがあります。

しかし、
神経の視点で見ると、
強い刺激は「外敵」として認識されやすくなります。

すると体は、

  • 防御反応として力を入れる

  • 一時的に感覚を鈍らせる

  • 施術後にどっと疲れる

という反応を起こします。

これが
「その場は楽だけど、また戻る」
を繰り返す原因です。


なぜ“やさしい施術”が慢性腰痛に向いているのか

慢性腰痛の改善に必要なのは、
神経に対して
「ここは安全だよ」
と伝えることです。

やさしい刺激は、

  • 神経の過敏さを落ち着かせる

  • 無意識の緊張を緩める

  • 体が自然に動き出すきっかけになる

という役割を果たします。

その結果、
骨盤・股関節・背骨の連動が少しずつ戻り、
腰に集中していた負担が分散されていきます。


慢性腰痛の人に共通する「体の使い方のクセ」

これまで多くの慢性腰痛の方を見てきて、
共通しているポイントがあります。

  • 座るとすぐ腰が丸まる

  • 立つと反り腰になる

  • 体をひねるのが苦手

  • 動き出しが怖い

これらはすべて、
「腰を守ろうとしすぎた結果」
起こっている動きです。

守りすぎることで、
逆に腰が働き続けなければならない状態になります。


慢性腰痛は「正しい刺激」で変化し始める

慢性腰痛は、
一気に良くしようとするほど難しくなります。

  • 神経が安心できる刺激

  • 体が無理なく動ける範囲

  • 少しずつの成功体験

これを積み重ねることで、
神経は
「もう痛みを出さなくても大丈夫」
と学習し直します。